天井桟敷からのBLOG
折々の思いを 気の向くままに綴ります
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012 医療・・・イレッサ訴訟 (2)・・・!
「イレッサ訴訟」は、非小細胞肺がん治療薬であるイレッサの副作用で間質性肺炎を発症して死亡したなどとして、遺族や患者が国と輸入販売元であるアストラゼネカに損害賠償を求めているものです。
イレッサは、2002年7月に世界に先駆けて日本で承認されました。
しかし、発売後、国内ではイレッサを服用して、間質性肺炎などの肺障害を発症する患者が続出しました。
そうした中、2004年に、肺がん治療のためにイレッサを服用し、間質性肺炎などの副作用で死亡または増悪したなどとする患者の遺族と患者が、国とアストラゼネカを相手取り、損害賠償を求めて大阪地裁と東京地裁に提訴したのです。
この間質性肺炎ですが、イレッサの承認前からアストラゼネカや医薬品医療機器総合機構(PMDA)が副作用の1つとして認識しており、承認時の添付文書でも「重大な副作用」欄の4番目に間質性肺炎が挙げられていました。
これについて原告は、間質性肺炎は致死性の副作用であり、承認時の添付文書では注意喚起が不十分だったなどの主張をしています。
= イレッサによる間質性肺炎・急性肺障害の副作用死亡の推移 =
(2009年9月現在における厚生労働省報告数)
2002年 (平成14年):180人(7月から12月)
2003年 (平成15年):202人
2004年 (平成16年):175人
2005年 (平成17年): 80人
2006年 (平成18年): 51人
2007年 (平成19年): 38人
2008年 (平成20年): 45人
2009年 (平成21年): 27人 (9月末現在)
この訴訟における東京・大阪両地裁の和解勧告を批判する見解を示します。
【 国立がん研究センター 】
〔1〕
はじめに
〔2〕
国立がん研究センターの見解
〔3〕
薬剤性急性肺障害・間質性肺炎について
〔4〕
「副作用を誰かの責任、医療が成り立たない」
〔5〕
「裁判所の判断は自然界を理解していない」
〔6〕
「医療、医学、自然科学が成り立たなくなる」
〔7〕
「私たちは決して対立軸ではない」
〔8〕
「リスクと利益を知った上で患者は闘っている」
〔9〕
「いかに国民が納得する制度をつくるか」
【 日本肺癌学会 】
肺がん治療薬イレッサの訴訟に係る和解勧告に対する見解
【 日本臨床腫瘍学会 】
肺がん治療薬イレッサの訴訟にかかる和解勧告に対する見解
なお、
【 がんサポート情報センター 】
の
「肺がん患者に有用な薬。しかし、副作用のない夢の薬ではないイレッサの真実」
と題する記事のなかで、国立がんセンター東病院院長でイレッサの検討会委員でもある吉田茂昭医師は、
『イレッサは発売前から夢の新薬といわれ、実際治療を始めるとそのことを裏づけるような劇的な著効例も現れた。そうしてつくられた幻影に患者も医師も振り回されてしまったということでしょう。たかだか2300人を対象にした治験では、薬の作用のすべてを確かめるすべがないことを忘れてしまっていたのです。そうした安易な利用が行われたところに落とし穴が待っていたということではないでしょうか。イレッサはすばらしい治療薬です。しかし、副作用のない夢の新薬ではありえないことを医師も患者も忘れてしまっていたのです。』
と語っています。
(続く)
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2011年2月6日(日)08:09 |
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