天井桟敷からのBLOG
 
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010 児童福祉(3)・・・虐待を受けた子ども・・・!

児童虐待を受けた子どもが、どのような心身の状態・状況に陥るのか、またそのことが、子どもの人生にどのような影響を与えるのか等については、多くの専門家、多くの相談・支援機関や研究機関がそれぞれに明らかにし啓発しています。

そうしたなかで、「東京都八王子市子ども家庭支援センター」がHPに掲載している「児童虐待の子どもへの影響」が分かりやすいので紹介しておきましょう。

《 児童虐待の子どもへの影響 》

児童虐待は、子どもの心身に深い傷を与え、子どものその後の人生そのものを左右するばかりでなく、時には生命を奪うことさえある、子どもへの最大の権利侵害です。虐待を受けている子どもは、最も安心して生きることのできるはずの家庭の中に、子どもとしての存在を認めてもらえる心理的・物理的居場所がなく、年齢相応に成長できないばかりか、子ども時代に受けた心的トラウマにより、大人になってからも、社会生活を送るうえでの、大きなハンディを長期的に背負わされることになるのです。

1. 虐待を受けた子どもたちは?(影響の事例)

◆ 身体的虐待により、頭蓋内出血や火傷などよる身体的障害を負うことがあります。
◆ ネグレクトなどにより、栄養や感覚刺激の不足・日常的な世話の欠如による、生活年令にそぐわない極端な発育障害や認知能力の遅れが生じることがあります。
◆ 虐待された体験がふいにわきあがるフラッシュバックや夜驚、ぼんやりしたり記憶が欠落するといった解離状態、情緒不安定などの精神症状を呈することがあります。
◆ 安定した愛着関係の欠落から、愛着障害(対人関係障害)が生じることがあります。
 慢性的な愛情飢餓の状態にあるため、自分の要求を受入れてくれそうな大人に対して、距離感なくべたべたしたり、際限なく要求をしたり、自分の要求を受入れてもらえないと教室から飛び出すなどわざと相手を怒らせ振り回す言動をとります(試し行動)。
 これらの背景には、安定した信頼関係を築くことへの恐れや不安・不信が存在します。
◆ 怒りや感情のコントロールができず、パニック・衝動行為が生じ、集団生活をスムーズに送るのに必要な、ルール感覚を獲得できないことがあります。
 自己の意思・感情を相手や状況次第で変えなければならないため、感情をコントロールする力が育ちません。保護者の感情を押し付けられ、自己の感情を受けとめてもらえないので、常に、どろどろした怒りの衝動が、くすぶったままになっています。そうしたはけ口のない衝動が、集団生活の中の思い通りにならない状況で急に爆発し、パニックとなることがあります。
 怒りの裏には、素直に甘えることが恐くてできないというような、本心が隠されています。
◆ 連続性のない刹那的な自己感覚が形成されることがあります。
 保護者による種々の暴力に支配されているため、相手への恐怖心から自分の意思や感情よりも相手の顔色次第で、自分の感情や意思をころころと変えるようになります。そのうち何が自分の本心なのかわからなくなり、それが、大人になってからの、重大な人格障害の引きがねとなることがあります。
◆ 「どうせ自分は愛される価値のないどうしようもない子」という自尊心の欠落が生じることがあります。
 最も身近な親から認められたことのない子どもは、「自分はこれでよい」という自己肯定感を抱くことができません。虐待は自分がいけないから行われており、自分は存在してはいけない子であるとさえ考えます。
 親の暴力から、正当に自分で自分を守ることができないのです。こうした強い自己否定は、生きる意欲を低下させ、自虐的な言動・自傷行為を引き起こします。
 思春期にはいれば、リストカット・アルコールや薬物
の乱用・摂食障害・浪費・自分は愛される価値があると手っ取り早く確かめるためのセックスへの過度の依存といった問題につながる可能性があります。
◆ 養育態度の世代間伝達の問題虐待をコミュニケーション手段として身につけた子どもが親になった時には、自分の子どもとのコミュニケーションにおいても虐待を繰り返してしまうリスクが、生じることがあります。
◆ 虐待を受けている子どもは、保護者の虐待行為を、第3者に知られ たくない気持ちがあります。
 どんなに保護者につらく当たられても、子どもは保護者に愛されていたいと願い、家族の生活が破綻することを恐れます。
 虐待を受けている子どもが、保護者への忠誠心から、周囲に助けを求めないで、むしろ保護者をかばい、怪我の理由をごまかしたりするのはこのためです。

2.虐待をそばで見ている子どもたちに与える影響

◆ 虐待は、それを見ているきょうだいも虐待をうけているような気持ちにさせられます。
 中には、自分が虐待を受けていたのか、きょうだいが受けていたのかはっきりしなくなってしまう子どももいます。
〔「東京都八王子市子ども家庭支援センター」HPより〕

「児童虐待」は、子どもの心身に重大で深刻な痛手を負わしてしまいます。「予防」、「早期発見」、「子どもの保護と支援」、「保護者への指導と支援」が重要なのです。


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2011年1月31日(月)19:56 | トラックバック(0) | コメント(0) | 医療・福祉・教育・労働 | 管理

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